オオサカジン

日記/一般 日記/一般   | 高槻市

新規登録ログインヘルプ


2008年06月12日

「カッコーの巣の上で」

 米国映画「カッコーの巣の上で」(1975年。ミロシュ・フォアマン監督)をレンタルで見ました。1975年のアカデミー賞で主要5部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞)を独占した作品です。実はそれを知らずに見たのですが、30年以上も前の映画で映像技術などは素人の吉田康人にも古く感じられたものの、映画にこめられたメッセージは古さを全く感じさせない力強いものでした。

 刑務所の強制労働から逃れるため異常を装って精神病院に入ったマクマーフィ(ジャック・ニコルソン)。この病院は絶対権限を持って君臨する婦長のもとに管理され、患者達は全く無気力でした。様々な手段で病院に反抗するマクマーフィによって患者達は少しずつ心を取り戻していきます。そんな彼の行動に脅威を感じた病院は・・。人間の自由と尊厳を描いた悲劇のドラマです。

 やはり、タイトルが気になるので調べてみました。原題は「One flew over the cuckoo's nest」(「カッコーの巣から飛び立つ」という意味)です。もともとはマザー・グースの詩の一節です。ご存じのように、カッコーはホオジロやモズの巣に卵を産みヒナを育てさせます。ある種の洗脳がなされている精神病院、また、母性欠如とも言える婦長の冷たい態度を暗示させるタイトルになっているのです。「カッコーの巣」は「精神病院」の蔑称の一つでもあるそうです。

 映画の後半は息苦しいほどの衝撃的な展開になります。そして、まさに「flew over」(飛び立つ)のエンディングを見ることによって人間の自由、人権、尊厳を改めて考えさせられる。そんな映画です。


Posted by 吉田 康人 at 22:39│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。