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2009年03月24日

環境ホルモンは「最後の環境問題」

【「新地球村宣言」(高木善之著)シリーズ(7)】

 「環境ホルモン」をおさらいしておきましょう。

 1950年代以降、先進国を中心に世界各地からこれまで見られなかったような野生動物の生殖異変が報告されています。もちろん、日本でも。様々な化学物質が体内のホルモンを乱していることによって野生生物の異常を生み出していて、こうした化学物質を「外因性内分泌かく乱化学物質」と呼びます。通称、「環境ホルモン」です。

 環境ホルモンには次のような特徴があります。1つは、これまでのどんな猛毒物質より1万倍も薄い濃度で生物に影響を及ぼすということです。50メートル・プールに環境ホルモン物質を1滴垂らした程度の濃度でもホルモン作用があります。これまでの安全検査が意味を全く持たないことになります。

 2つめは、食物連鎖によって濃縮されていくということです。環境ホルモンは分解されず生物に蓄積されていきます。このため、米国五大湖における水のPCB濃度が1とすると、プランクトンには500、それを食べる小魚には800,000、それを食べるカモメには25,000,000のPCBが蓄積されるということになります。それらを食べる私達人間はさらに高濃度のPCBに汚染されます。そして、母から子へ、子から孫へと世代を超えて受け継がれていくのです。

 3つめは、カクテル効果。単独では環境ホルモンの作用がほとんどない化学物質でも複数が組み合わさることで大きな影響を与えることがあります。これをカクテル効果と言います。人間がこれまでに作り出した科学物質は5万〜10万種類。さらに毎年、1,000種類以上が新しく開発されています。自然界へ大量に放出されているそれらの組み合わせはもはや無限大です。

 今までの科学的常識を遥かに超えた環境ホルモンが生物の身体、行動、精神面、そして、生殖にも障害を与えます。「最大の環境問題」、「最後の環境問題」と言われているのはこのためです。


Posted by 吉田 康人 at 20:55│Comments(0)
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