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2009年11月05日

「海を飛ぶ夢」

 「尊厳死とどう向きあうべきか?」。友人の場合、家族の場合、そして、自分自身の場合。私達にとって大きな課題です。スペイン映画「海を飛ぶ夢」(2004年。アレハンドロ・アメナバール監督)をレンタルで観ました。全身の不随と30年近くものあいだ闘った実在の人物ラモン・サンペドロの手記に基づく作品です。

 海で育ったラモン(ハビエル・バルデム)は25歳の時、海へダイブした際に海底で頭部を強打、首から下が完全に麻痺してしまいます。以来、家族に支えられながらも、ベッドの上で余生を過ごすことになります。彼にできるのは、部屋の窓から外を眺め想像の世界で自由に空を飛ぶこと、そして、詩をしたためることだけです。事故から20数年が経ち、彼は遂に重大な決断を下します。それは、自ら人生に終止符を打ち本当の生と自由を獲得するという決断でした。

 心身に障害をお持ちのかたがたから見て許せない描写、台詞が随所に見られるはずです。しかし、映画の中で台詞としても出てくると記憶していますが、「誰が正しいわけでも、誰が間違っているわけでもない」という理解が正しいのではないかと吉田康人は思います。社会のルールを決める立場の政治、行政を司る人々には永遠の課題と認識していただきたい。

 主人公の世話をする義理の姉、主人公を養っている立場の不器用な兄、手助けをする女弁護士、興味を持つ「みじめな」女、まだ子供の甥、主人公を批判する神父。それぞれが、ほんまもんの「生・死」、「自由」、「尊厳」、「愛」、「幸せ」を思いなやみながら暮らしています。私達人類は、この問題に最終的な結論を下すべきだろうか?。永遠に悩みつづけるのが人間として健全な姿なのではないか?とボンヤリ考えています。


Posted by 吉田 康人 at 18:40│Comments(0)
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