2010年02月17日
東アジアの家族観と婚外子、育児の社会化
「やすとログ」ではこれまで、「家族、家庭の再生」という目的意識を持ちながら、家族、家庭の問題、少子化問題にも触れてきました。
「朝日新聞」に定期的に折りこまれている「朝日新聞グローブ」。その第32号(1月25日付)「結婚、アジアの選択」は大変勉強になりました。今後、そのうちいくつかをご紹介したいと思います。
内容盛りだくさんの「結婚、アジアの選択」の中で「東アジアでは結婚しないと子どもが生まれない」というデータは興味深いものでした。「世界各国・地域の婚外子の割合」のデータです。具体的には次のようになっています。経済協力開発機構(OECD)と各国政府の資料から作った2006年または2007年のデータだそうです。
スウェーデン 54.7%
フランス 50.4%
英国 43.7%
米国 38.5%
ドイツ 30.0%
イタリア 20.7%
台湾 4.2%
日本 2.1%
韓国 1.5%
シンガポール 1.4%
明らかな傾向として言えることは、スウェーデン、フランスを初め欧米では結婚していないカップルから生まれる子供の割合が多くこれが出生率引きあげに貢献していて、逆に、アジア諸国では婚外子の比率が低いということです。なぜでしょうか?。
人口学者のエマニュエル・ドット氏は「家族類型」を用いて次のように分析しています。
台湾、日本、韓国などは「直系家族」タイプに属します。特徴は次のとおり。
・親が子供に対して権威的
・親子の同居率が高い
・家系を重視する
・親は子供の教育に熱心
一方、スウェーデン、フランス、英国、米国などは「核家族」タイプ。特徴は次のとおりです。
・親子関係より夫婦関係を重視
・親子関係は独立的で同居しない
・家系を重視しない個人主義的傾向
・親は子供の教育にあまり熱心ではない
ドイツは、どちらかというと「直系家族」タイプであるにも関わらず、婚外子の割合がアジア各国と比べると高くなっています。これについては専門家のご助言をいただきたいところです。
しかし全般的には、「家系重視だと結婚外から生まれる子供を許容しにくい面がある」ことがアジアにおいて婚外子が少ない大きな原因になっているとするドット氏の説には説得力があります。
現代的かつ国際的な見地からは「直系家族」タイプと「核家族」タイプの「良し悪し」を論ずることはできません。ただし、東アジアの少子化、さらに、東アジアにおける子育ての社会化を考える際には家族、家庭、結婚に対するアジア諸国民の価値観を充分踏まえて議論する必要があります。
「朝日新聞」に定期的に折りこまれている「朝日新聞グローブ」。その第32号(1月25日付)「結婚、アジアの選択」は大変勉強になりました。今後、そのうちいくつかをご紹介したいと思います。
内容盛りだくさんの「結婚、アジアの選択」の中で「東アジアでは結婚しないと子どもが生まれない」というデータは興味深いものでした。「世界各国・地域の婚外子の割合」のデータです。具体的には次のようになっています。経済協力開発機構(OECD)と各国政府の資料から作った2006年または2007年のデータだそうです。
スウェーデン 54.7%
フランス 50.4%
英国 43.7%
米国 38.5%
ドイツ 30.0%
イタリア 20.7%
台湾 4.2%
日本 2.1%
韓国 1.5%
シンガポール 1.4%
明らかな傾向として言えることは、スウェーデン、フランスを初め欧米では結婚していないカップルから生まれる子供の割合が多くこれが出生率引きあげに貢献していて、逆に、アジア諸国では婚外子の比率が低いということです。なぜでしょうか?。
人口学者のエマニュエル・ドット氏は「家族類型」を用いて次のように分析しています。
台湾、日本、韓国などは「直系家族」タイプに属します。特徴は次のとおり。
・親が子供に対して権威的
・親子の同居率が高い
・家系を重視する
・親は子供の教育に熱心
一方、スウェーデン、フランス、英国、米国などは「核家族」タイプ。特徴は次のとおりです。
・親子関係より夫婦関係を重視
・親子関係は独立的で同居しない
・家系を重視しない個人主義的傾向
・親は子供の教育にあまり熱心ではない
ドイツは、どちらかというと「直系家族」タイプであるにも関わらず、婚外子の割合がアジア各国と比べると高くなっています。これについては専門家のご助言をいただきたいところです。
しかし全般的には、「家系重視だと結婚外から生まれる子供を許容しにくい面がある」ことがアジアにおいて婚外子が少ない大きな原因になっているとするドット氏の説には説得力があります。
現代的かつ国際的な見地からは「直系家族」タイプと「核家族」タイプの「良し悪し」を論ずることはできません。ただし、東アジアの少子化、さらに、東アジアにおける子育ての社会化を考える際には家族、家庭、結婚に対するアジア諸国民の価値観を充分踏まえて議論する必要があります。
Posted by 吉田 康人 at 19:06│Comments(0)
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