2008年05月15日
「後期高齢者医療」と「民意」5

私達国民ひとりひとりの私的な立場からすれば「負担はできるだけ小さいほうが良い」というのが本音です。しかし、国民の政治不信の根本的原因は「負担増」なのでしょうか?。
日本医師会長の「姥捨て山」発言で31年前に斬り捨てられて以来の後期高齢者医療保険制度樹立へ向けての歴史を振り返ってみれば、とても不思議な思いがします。
小泉政権ができるまでこの制度を巡る議論の中心は「高齢者のみの『独立型』保険制度の是非」(つまり、「姥捨て山」かどうか?)でした。「三方一両損」の医療保険制度改革の時、厚生労働省は「独立型」は「非現実的」と消極的だったと(2)のログで述べましたが、じゃあ、この制度を31年前に立ち上げようとした時は「現実的」だったのか?と聞きたくなります。
それに、厚生労働省や公明党は自民党族議員に押し切られて「独立型」制度(後期高齢者医療保険制度)の導入を進める側に回ったのですが、「現実的」、「非現実的」との議論はどこへ行っちゃったんだろう?と、これも不思議です。結局、「『非現実的』であることのしわ寄せが高齢者や国民全体(税金)へ及んででも現役世代の負担を減らし医療保険制度を維持しなければならない」という大義名分が残ったはずです。
しかし、制度の導入が近付くと、「年金からの天引きのほうが便利だ」などと制度の利便性が強調されました。さらに、「天引きはけしからん」という議論が高まるとこんどは「高齢者の負担が減る」とのPR。「負担減」が「つくり話」だという最近の批判を受けてここ数日、「やっぱり、『負担』は必要」と主張し始める向きもあります。
つまり、政府・現政権与党が訴える「後期高齢者医療保険制度」の必要性のポイントが、
高齢者切り離しが必要
↓(「姥捨て山」批判)
切り離しは非現実的
↓(族議員のねじ込み)
切り離して負担増でも医療保険制度を維持
↓(制度の導入が近付く)
年金からの天引きは便利
↓(制度の導入がさらに近付く)
高齢者の負担は減る
↓(負担減が「ウソ」であることがばれる)
保険制度を維持するため負担増は当然
と変遷してきているのです。この間、政権が変わったがために政策も変わったわけではないのです。同じ政権がずっと続いているのにも関わらず、ブレブレというか、ま、医療保険制度をどうしたいのかさっぱりわからない。ここまで来ては、「変遷」などではなく、もはや、その場しのぎの「三枚舌、四枚舌」と言わざるを得ません。
「民意」との関連で言えば、「後期高齢者医療保険制度を廃止すべき」と考えている国民も「この制度はやはり必要」と考えている国民もいますが、この国にとって最も致命的なのは「今の政治・行政には任せられない」と考えている国民が最も多いということです。
「官僚はもちろん、選挙を通じて『任せた』はずの国会議員にも、その国会議員が『任せた』現政権にも、この国の高齢者医療をどうするか?、信頼、信用して『任せられない』」。民意を改めて問うて「任せ直し」をするには衆議院の解散総選挙を行わなければなりません。
Posted by 吉田 康人 at 21:40│Comments(2)
この記事へのコメント
昨夜のシニアクラブ幹事会お疲れ様でした!!
S.33年組のKEIです。
早速、私のブログにもコメントいただきありがとうございました!!
「やすとログ」のようにほぼ毎日更新はとてもできませんが、
1週間に1回のペースで更新しています!!
それにしても毎日更新してはるのはスゴイ・・・!!
私のブログにもまた、ちょくちょく遊びにいらしてくださいませ!!
シニアクラブも担当年度で大変でしょうが、頑張ってください!!
それではまた!!
S.33年組のKEIです。
早速、私のブログにもコメントいただきありがとうございました!!
「やすとログ」のようにほぼ毎日更新はとてもできませんが、
1週間に1回のペースで更新しています!!
それにしても毎日更新してはるのはスゴイ・・・!!
私のブログにもまた、ちょくちょく遊びにいらしてくださいませ!!
シニアクラブも担当年度で大変でしょうが、頑張ってください!!
それではまた!!
Posted by kei
at 2008年05月16日 22:43

KEI先輩。
コメントありがとうございました。
KEI先輩のブログ( http://kei.osakazine.net/ )はKEI先輩、ご家族、そして、地域の微笑ましい関係が上手く表現できていていいですね。先輩のブログに気が付いてからはお気に入りに入れて毎日チェックしています。
私は、ま、ブログで何かを訴えようというよりか、自分が毎日見ているもの、感じていることを写真に記録してそれにコメントを付けて貼っているという感じでしょうか?。「趣味」になっちゃってます(笑)。
これからも「ブログぐるみ」(?)のお付き合いを宜しくお願い申し上げます。
コメントありがとうございました。
KEI先輩のブログ( http://kei.osakazine.net/ )はKEI先輩、ご家族、そして、地域の微笑ましい関係が上手く表現できていていいですね。先輩のブログに気が付いてからはお気に入りに入れて毎日チェックしています。
私は、ま、ブログで何かを訴えようというよりか、自分が毎日見ているもの、感じていることを写真に記録してそれにコメントを付けて貼っているという感じでしょうか?。「趣味」になっちゃってます(笑)。
これからも「ブログぐるみ」(?)のお付き合いを宜しくお願い申し上げます。
Posted by 吉田 康人 at 2008年05月18日 11:10
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。